特集祖母山が育む、水を巡る旅

阿蘇山やくじゅう連山、祖母山系の山々に囲まれた大分県竹田市の入田地区には、竹田湧水群と呼ばれる50を超える湧水地があります。その特徴は、人々の生活に根ざし、大切に維持されているということです。入田地区を流れる緒方川の上流には、その源流である祖母山がそびえ、山麓ではいくつもの滝が見られます。湧水地から滝へと水の流れをたどる旅をしてみると、山の恵みを受けて暮らしてきた里の人の営みが見えてきました。

特集山々を望む修験の山、緩木山・越敷岳

山々を望む修験の山、緩木山・越敷岳

特集天然物よりも「天然」伝統のエノハ料理

養殖と伝統の味を受け継ぐ老舗料理店

特集瓦屋根の民宿で創作料理。祖母山麓の旬を味わう

人は食べたものからつくられます。食は生命の源であり、地域の魅力を知る手がかりでもあります。地域を深く学びたいなら、地元の食材を味わうのが一番。祖母山麓の旬の味をたっぷり満喫できる民宿「清流」を訪れました。

特集ありふれていた景色。実は宝物。

ありふれていると思っていた景色が実は宝物。祖母山の麓で生まれ育った後藤こずえさんにとって、地元の草花は身近すぎて、その大切さに気付きにくいものでした。小さく、はかない宝物だから、知ってもらうことで守りたい。それが後藤さんの活動の源です。

特集耳をすませば聞こえるよ。山麓の循環。

覚えているでしょうか?道草をしながら帰った小学校時代。専業農家を営むインタープリター、渡辺さんの原体験は通学路にあるといいます。学校は廃校になってしまいましたが、山麓の暮らしを知りたくて通学路だった道を渡辺さんと歩きました。

特集突き詰めた末に出会った自然農法

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」 自然栽培に取り組む平山貴之さんの田んぼには、周囲よりも一際背の高い稲穂が実っていました。九州の在来種「穂増」です。江戸時代に主流であったお米で、かつては熊本を中心に、各地で栽培されていました。栽培している品種ひとつを取ってみても、昔から地元で食べられていたお米を作りたいという平山さんの思いが感じられます。

特集祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの舞台裏

祖母・傾・大崩ユネスコエコパークが認定されて5年を迎えました。ひとたび認定されたからといって、ずっとそのままというわけではありません。その地域に「持続可能性」がないと認定を取り消されてしまいます。裏を返せば、地域に住む人たちのたゆまぬ努力に支えられて、エコパークは成り立っているのです。認定に向けて尽力した当時のキーマンが、知っているようで知らないエコパークのこと、その舞台裏を語ってくれました。

特集竹田を「学べる」ゲストハウス

旅の拠点となるゲストハウスは、地域と旅人をつないでくれます。たけた駅前ホステルcueもそのひとつ。オーナーである堀場貴雄さんは、祖母山麓の自然と人とをつなぐ「きっかけ」をつくる役割も担っています。竹田の自然をより深く知るツアーに参加してみました。

特集アマゴになった青年

祖母山の山麓をインタープリターのガイドで歩くことに。集合場所に現れたのは、神原渓谷に古来から生息する渓流魚、アマゴの被り物をした青年。大分県竹田市の地域おこし協力隊の黒阪旅人さんでした。魚が山を案内…? そんな心配をよそに、雨がシトシト降る中、アマゴのガイドは水を得て饒舌になっていくのでした。アマゴガイドさんとの山歩きやいかに。

特集母校を、人と自然をつなぐ場に

インタープリターという言葉を聞いたことはありますか? 今、国立公園や自然学校、エコツーリズムなどで、自然と人をつなぐガイドとして注目され、地域の自然や歴史などをわかりやすく伝えることから、翻訳者とも比喩されています。 祖母山山麓エリア再生プロジェクトの一環として実施された、インタープリター養成講座の第1期生卒業生であり、現在インタープリターとしてツアーガイドや登山道整備を行う工藤桂太さんの活動拠点は、廃校となった母校の「あ祖母学舎」。交流拠点として生まれ変わった場所で、現在の活動に至った経緯や、祖母山麓の魅力について聞きました。

特集人やまちとの出会いが編まれていく機織り教室

里山の教室に、ぱたん、ぱたんと機織りの音が教室に響きます。ここは旧宮砥小学校の2階にある宮砥工藝舎の機織り教室。「失敗してもええねん」。主宰する高木康子さんがあっけらかんと笑います。教室で重んじているのは、自分らしく、感じるままに織ること。自由を愛する高木さんの人柄に惹かれ、教室には、生徒だけでなく、ふらりと集う人が絶ちません。

特集神宿る祖母山をたずねて、信仰の道をたどる

その山の頂(いただき)には神様がいます。いつの頃からか分からないほどの昔から、祖母山は信仰の山として崇められてきました。自然そのものが信仰の対象です。神様を大切にするというのは、自然を畏れ、慈しむということと同義でした。この祖母山麓では今も続いています。山頂を踏んで山を制覇するのではなく、神様に会いに行く。いつもとは違う、そんな山登りをすることで新しい価値観に出会えます。

特集はじまりと終わりが共存する洞窟

長い、長い時間をかけて、その洞窟は生まれました。場所は二つの地層の境界でした。地層の終わりは新しい地層のはじまりでもあります。境界に生まれた洞窟もまた、はじまりの象徴ではないでしょうか。人間の営みよりも前から存在しつづけ、今も神聖な場所としてまつられる洞窟。この地に刻まれた物語を読むため、学芸員の永田紘樹さんとともに洞窟へと潜ってきました。

特集祖母山のはじまりと、白亜紀からの贈り物

昔の出来事は地下で、地上は現在。私たちの暮らす大地は積み重なっていて、それが当たり前だと思っていましたが、当たり前ではありませんでした。そう理解できたのは、かつて城のあった山に登り、白亜紀からの「贈り物」に出会えたから。数千万年という途方もない時間を経て、小さな化石と出会った瞬間です。山頂はかつて海の底だったことを教えてくれました。

特集竹田の水のはじまり。どこから来るのでしょう?

名水として知られる竹田湧水群。「名水百選」に選ばれるほどで、湧出地は50カ所を超え、水量も豊富です。柔らかな口当たりの水は地域に親しまれ、生活に潤いを与えてくれます。とめどなくあふれる水を見ていると、ふと疑問が湧いてきました。この水はどこから来るのでしょう。答えを求めて、地質学者の永田さんと現地を訪ねてきました。

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祖母山麓エリア再生プロジェクトとは

持続可能な地域活動、
経済活動で人と自然を次の世代へ

2017年に祖母・傾・大崩ユネスコエコパークに登録された、
ここ祖母山麓エリアは原生的な自然と希少動植物の宝庫として知られ、
その恵みによって古くから人々の豊かな暮らしが息づくエリアです。

一方で、高齢化による地域活動の担い手不足、人口減少と経済活動の衰退は年々深刻さを増し、地域の存続そのものが危ぶまれている現状にあります。

このプロジェクトは、このエリアの魅力を改めて見直し、再発見することでその魅力の増幅と再編集を行い、持続可能な地域活動や経済活動を維持発展させるべく、2022年度よりスタートした地方創生プロジェクトです。
地域住民による地域の魅力再発見ワークショップを皮切りに、エリアでの様々なアクティビティ開発、情報発信、地域資源を活用したコンテンツ開発や公共施設の活用と利用促進などの様々な事業を展開し、エリア再生を推進しています。

日本百名山のひとつであり、このエリアのシンボルでもある祖母山。その裾野に暮らす人々にとって、祖母山はいにしえより畏怖の対象です。時代は変われども、変わることなく、信仰を集めてきました。これは、ずっと人間とともにあるということの裏返しでもあります。大いなる存在でありながら、身近に感じられてきた特別な山とエリアを、地元の人々や専門家の視点を介して、見つめ直す特集です。

祖母山麓エリア AREA

⼊⽥、嫗岳 、宮砥の3地区からからなる祖⺟⼭麓エリア。
大分県竹田市の南部、名峰祖母山の麓一帯に位置するこの地域は原生的かつ神秘的な山々、湧水の恩恵を受け広がる田園地帯、古から受け継がれる文化に彩られた、それはそれは、豊かで穏やかな場所です。

祖母山麓エリアを思う存分楽しんでいただけるアクティビティをご紹介します。YAMAP認定のインタープリターによるトレッキングガイドは同じコースでもテーマや視点を変えてお楽しみいただけます。初心者にはハードルが高いとされている祖母山ですが、5合目までを周遊するトレッキングコースは祖母山の魅力が凝縮された山初心者の方にもおすすめのコースです。

登山レポート Supported by YAMAP

祖母山麓と人

祖母山麓で暮らし、営みを続ける人たち。
祖母山麓を愛し、地域と関わり活動する人たち。
祖母山麓を愛し、足繁く通う人たち
そんな人たちの暮らしぶりや、エリアへの思いを映像で綴ります。

spot

祖母山麓エリアの歴史をもっと知ることができる観光スポットやグルメスポット、体験・交流施設

みんなで写真を撮りながらエリアを歩く「PHOTO WALK」で祖母山麓の魅力を再発見

ACCESS

⾞でお越しの
場合

  • 福岡から

    2時間半〜3時間程

  • ⼤分市から

    1時間程

JRでお越しの場合※乗り継ぎ時間除く

  • 福岡から

    3時間半〜4時間

  • ⼤分市から

    1時間程

⾶⾏機でお越しの
場合

  • ⼤分空港から

    バス→JRで2時間程